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陶製仏具の型 その2 香炉

やきものの業界で、型屋さんは重要な存在です。
これも伝統産業の一つ。
やきものって、すべての業務が分業されていて、それぞれの専門家が
それぞれの仕事をして、段階的に一つの製品ができあがります。
土を作っているところがあり、釉薬(ゆうやく)を作っているところがあり、
型を作っているところがあり、成形するところがあり、焼き上げるところがあり、
絵を付けるところがあり・・・etc…
皆さんのところへ製品が届くまでに、たくさんの人の仕事が関わっています。
でも、現状では後継者がいなかったり、技術が継承されなかったりで、
どんどん伝統産業は衰退。
普段生活の中で使っている食器、皆さんが当たり前のように料理を盛り付けている
やきものの器は、少しずつ生産しているメーカーが減っているんです。
セラミックアルテで作っている陶製仏具も、実は製造できるメーカーが限られています。
窯を焼くいろんな条件があって、それがすべて揃って、完成させることができています。
ガバ鋳込み」という成形方法を使って生産できるメーカーは、
ほんとうに数少ないです。
一般的な仏具や神具、ほとんどがガバ鋳込みの成形方法をとっています。
こちらの石膏型は香炉です。↓
ガバ鋳込みの型になります。
型の上部から液状の土を
流し込みます。
で、時間をおいて土が固まってきたら
型をひっくり返して、余分な土を外に
出します。
ちょうど写真のこの状態は、
香炉が逆さになっているところです。


型は上と下と2つに分かれます。
←開くとこんな感じ。
左側の型は、香炉の灰を入れる部分の
へこみを作るように、凸になっています。
右側は、香炉の底面を空洞にするような
仕組みになっています。


完成品はこちら→備前吹き・白ミカゲ香炉