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【虎渓山 永保寺 その1】 国宝を拝観して
posted by : カテゴリ:セラミックアルテのおすすめ ,仏事・神事の豆知識
1年に1度のチャンス
2013年3月17日(日)、岐阜県多治見市にある
国宝(国指定文化財)を有する禅寺「虎渓山 永保寺」へ行ってきました。
毎年3月15日の1日のみ、釈迦の命日である涅槃会(ねはんえ)に合わせて
国宝「観音堂」と「開山堂」が公開されるのですが、2013年は特別17日までの三日間公開!
そして今年は、虎渓山 永保寺の開創700年の記念の年。
こんなチャンスはない・・・ということで、国宝拝観を目的に
カメラを持って、公開時間の1時間前(混雑する前)に到着するよう向かいました。
この日は、特別に国宝内部の撮影が許可されました♪
修行僧いわく、「今日しか撮影できませんから、どんどん撮って下さいね!」と。笑
国宝「観音堂」内の虎渓山本尊仏 聖観世音菩薩坐像(しょうかんぜおんぼさつざぞう)
虎渓山の国宝「観音堂」
国宝「観音堂(かんのんどう)」は別名「水月場」と称され、
禅宗の伽藍(がらん)の中では一番大切な仏殿(本殿)です。
1314年、夢窓国師(むそうこくし)が虎渓に来られた翌年に建立されたとのこと。
※ 伽藍(がらん)とは、「僧侶が集まり修行する清浄閑静な場所」の意味。
中国「唐」の建築様式のすぐれた代表作として国宝になっている観音堂
唐様建築の手法に和様建築の手法を折衷させた特殊な建築
この屋根の反り具合が特徴的
観音堂の内部に入ってみました!
須弥壇上(しゅみだんじょう)の岩窟式厨子(がんくつしきずし)には、
県重要文化財の聖観世音菩薩坐像が本尊として祀られています。
自然木を大きな岩窟のように組み合わせて、その中に聖観世音菩薩が祀られています。
修行僧の説明では、「煩悩(ぼんのう)の数108つの流木で作られているんですよ」とのこと。
岩窟式厨子の裏側には、地蔵菩薩が描かれていました!
かなり傷んでいるため、これも修復される予定だとか。。。
永保寺 名勝庭園の「無際橋」
永保寺境内には国指定の名勝庭園があり、
夢窓国師の代表作とも言われるほどの素晴らしい庭園を
無料で見ることができます。
臥龍池にかかる「無際橋(むさいばし)」は、
煩悩の世界である「此岸(しがん)」から悟りの世界であ
<下の写真>
無際橋の手前から奥の観音堂へ向かって行くと彼岸へ到着する(到彼岸)そうです。
ちょうど春の彼岸の入りに永保寺を訪れ、普段は聞けないようなお話を
修行僧から説明していただき、今回の拝観はとてもタイミング良かったです♪
開創夢窓国師と開山仏徳禅師が祀られる「開山堂」
国宝「開山堂(かいざんどう)」=「僊壺堂(せんこどう)」は、
1352年頃に足利尊氏(あしかがたかうじ)が建立したといわれ
純正唐様(じゅんせいからよう)ともいうべく、
室町時代初期の代表的な建築です。
開山堂の屋根部分の見事なデザイン♪
素晴らしい詰組(つめぐみ)ですね!
開山堂内部の様子。
裏側の祠堂(しどう)に開祖「夢窓国師(むそうこくし)と開山「仏徳禅師(ぶっとくぜんじ)」の
坐像が安置されています。
向かって左が仏徳禅師、向かって右が夢窓国師。
この中は「聖域」なので、お坊さんと一緒じゃないと入れません。
開山堂内部の天井!とても美しくて見入ってしまいました!!
【虎渓山 永保寺 その2】 虎渓山のパワースポット へつづく
【虎渓山 永保寺 その3】 「玄関」と「雲衲輻輳」と「止掛搭」