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【虎渓山 永保寺 その3】「玄関」「雲衲輻輳」「止掛搭」

玄妙(げんみょう)に入る関門

岐阜県多治見市虎渓山町にある有名な禅寺、
山号(さんごう)虎渓山 永保寺(こけいざん えいほうじ)は、
雲水(うんすい)が禅の修行に励む臨済宗南禅寺派の専門道場(虎渓僧堂)を併設しています。

虎渓山 永保寺 専門道場(僧堂)

雲水(修行僧)は掛搭(かとう)の際、庫裡(くり)の玄関(げんかん)に声をかけます。

一般家庭でも住居の入口として普通に使われている言葉「玄関」とは、
もともと「玄妙(奥深い教え:仏道)に入る関門」=「玄牝(げんぴん)の関」
のことを言うのだそうです。

虎渓山 永保寺 玄関の鬼瓦

庫裡の玄関の屋根に設置されている鬼瓦

虎

玄関へ入ると「虎」がお出迎え!
この虎は雲水の「心」に覚悟を問うているのだとか。

イチョウの樹

永保寺の庫裡の玄関前にあるイチョウの大木。
開山「仏徳禅師(ぶっとくぜんじ)」お手植えの木として保護されているそうです。

仏徳禅師 御手植銀杏樹

 

 

シカト(無視する)の語源

庫裡の玄関先には、「雲衲輻輳」や「止掛搭」という大きな札が掛けられています。

雲衲輻輳

雲衲輻輳(うんのうふくそう)」
雲水(修行僧)を志す者は方々から集まりなさい、という意味。
この札が掲げられている時は「掛搭(かとう:修行僧受け入れ)」できます。

【雲衲(うんのう)】とは、衲衣(のうえ)を着けて修行に励む禅僧のこと。
修行僧を雲水(うんすい)とも言います。

 

雲衲輻輳(うんのうふくそう)の札をひっくり返すと、
裏には「止掛搭」と書かれています。
※ 勝手にひっくり返さないで下さい!とのことです。笑

止掛搭

これは「止掛搭(しかとう)」と読みます。掛搭をやめよ、という意味。
この札が玄関に掛けられている間は
掛搭する(修行者の入門を受け入れる)ことが出来ません!とのこと。

「修行者を止掛搭する(受け入れない)」
=「シカトする(無視する)」の語源はここからきているそうです。

普段、我々が何気なく使っている言葉ですが、
ちゃんと意味があるんですね。
また一つ勉強になりました♪(⌒▽⌒)

 

【虎渓山 永保寺 その1】 国宝を拝観して

【虎渓山 永保寺 その2】 虎渓山のパワースポット