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やきもののカタチ

やきもの(陶器・磁器)って、平たいお皿などは別として、
立ちモノと言われる立体のものは、意外に
四角いものより丸いものの方が多いと思いませんか?
よくお問合せいただいたり、オリジナルの形状で依頼を受けたりするのですが、
「角がある、スッキリとしたスタイリッシュな、四角いモノを作って下さい」と
言われます。
これ、実はやきものの性質上、作ることが難しいのです。
出来ないことはありませんが、丸いものより四角いものの方が
コストがかかります。
「角(かど)」があるものは、焼き上げた時に切れ(ひび割れ)が
発生する確率が高くなります。
また、四角いカタチのものは、ひずみ(へこみ)が発生する確率が高くなります。
生産ロットや土の種類、釉薬の種類、メーカーさんの特徴、成形方法などを
理解した上でデザインを考えなければ、モノづくりは難しいです。
ペーパーデザインしたものだけで、「これを作って下さい」と依頼されると、
まずはデザインの形から成形方法を検討します。
成形方法によって生産ロットも異なりますが、だいたいが依頼される
ロットと成形方法から割り出されるロットに、かなりの差があります。
成形方法とロットを決めた後には、完成品の質感を考えます。
陶器なのか磁器なのか?釉薬はどんなものを使うのか?
メーカーさんにも得手、不得手があります。
窯の規模も、特性も違います。
常時使用している土も釉薬も違います。
焼き方も違います。
依頼されたものを作ることができるメーカーさんを探すのは、
結構大変なのです。
結婚相談所で、相手とのマッチングを考えるのと同じようなもの(笑)
性格は?趣味は?家族構成は?学歴は?etc…
すべてにマッチした相手を探すのは大変なこと!
これと同じ。(^ ^;;
やきもののデザインを考える場合は、
本当は作るメーカーさんを決めてから考えるのが一番良いです。
私は、いつもモノ作りの難しさの壁にぶち当たりますが、
なんでも経験ですよね。
四角い形状を作ることにもチャレンジしてみたい、と日々思っています。
(まだ、すぐに作ることはできませんが・・・笑)